弊社では、恒温油槽の媒体液としてシリコーンオイルを推奨しています。
シリコーンオイルには、一般加熱用と耐熱向上剤が添加された耐熱用があり、目的温度が 150℃以上の場合は、 耐熱用シリコーンオイルをおすすめしています。
シリコーンオイルをご使用いただく場合には、次の点にご注意いただくようお願い致します。
- 体積の膨張
例えば約 30Lの槽内に常温で 30Lのシリコーンオイルを入れ 200℃まで加熱した場合、約 5L(※1)体積が膨張しますので目的温度に達するまでにシリコーンオイルが槽内からあふれ出て大変危険です。
ご使用のシリコーンオイルの膨張係数をご確認いただき、あらかじめ膨張分を差し引いたうえで槽内に シリコーンオイルを入れてください。 - 発煙
シリコーンオイルは目的温度が100℃を超える辺りから発煙があります。
シリコーンオイルの油煙は人体に悪影響があるばかりではなく引火による火災の危険がありますので必ず排気ダクトを設置してください。 - 不純物の混入
シリコーンオイルに他の物質(特に酸性やアルカリ性の物質)が混入するとシリコーンオイルが物性変化をおこしてしまい、 発煙などの原因となります。
実際に起きた事例では 200℃のシリコーンオイルと‐20℃のエチレングリコールブラインにサンプルを交互に入れる耐久試験を行ったところ、シリコーンオイルにエチレングリコール ブラインが混じってしまい、大量の煙が発生するということがありました。
シリコーンオイルのご使用にあたっては以上のような点にご注意いただいて安全にお使いいただきますようお願い致します。